娘はインター園に入れてるし、DWEもしてるし、もう親がやる事ないだろ思われているであろう我が家ですが、私はPhonicsですっきりしない日々を過ごしているのが実状です。娘は音の聞き分けは余裕だし、真似っこや復唱も余裕、「放っておけば自然と英語はできるようになるよ」というのも十二分に承知してる。でもテキトーを経験の積み重ねでカバーするのって、力技なんですよね。経験量・学習量で、結果としてできるようになるのも良いことだし、私自身がそうだったけど、そういう場合はロジックが整頓されていない・基盤が固まり切っていない状態なので、長期で見た場合に伸びる馬力やスピードが遅い。言語能力にそこまで求めるか?と言われたら、まぁ不要と言われたらそこまでなんだけど、私自身の、自分の英語力に対する不足感を、子ども達にも感じて欲しくないので、さらに掘り下げて英語学習法を調べています。
きっかけは娘の発語。まだ年少だし、読みの練習も始めたばかりだし、というのは別にして、it, its, is や this, theseを、なんとなく誤魔化した発音で言っているのを感じたんですよね。DWEのTACカードで読み比べさせたら、ビンゴ。娘、まだ整理しきれていないのが分かりました。まだ読みを習っていないし、これらの単語はsight wordで端的には理解できない単語系だからなのも理解しているし、大人の発語を彼女なりに真似っこしているからなんだけど、私は納得できなかった。もっと英語を多角的に深く教えたいと思った。
そんな時に、Twitterで日本人はなぜ “really”という単語を、”ア”の音はほぼ存在しないのに “リァリー” と読むのかという話になって、それはローマ字で読んで覚えてるからだよなあと思い出し、私の時代はとりあえず単語を見せて、読んで、リピートして、だけだったよなあ、英語は日本語みたいに1文字1音じゃないのに、その感覚で学んだからダメだったんだよなあ、というのをも思い出した。
私の中でPhonicsは、スペルから音を認識するので、まだ上記の当時の学習法と被るんですよね。だからしっくりこなかったのか!とここでプチすっきり。
じゃぁどうすればいいんだろう思っていたところ、Phonemic awarenessの本がちょうど手に入った。衝動買いした本がちょうど届いたんです。笑 それがこの本:
本の詳細に入る前に、そもそもPhonicsとPhonemic awarenessってなんでしょう??と思う方もいるかと思うので、違いを説明。ずばりこれです:
※ Phonemic Awareness and Phonics Knowledge to Practice から引用
Phonemic awarenessは音韻認識と訳されている通り、音韻なんですよね。音から言葉を認識する能力。対して、Phonicsは文字と音を繋げることなので、似ているようで少し違う。
さらにこれを構造でみると、以下のようになります:
※ Key Knowledge to Support Phonological Awareness and Phonics Instruction から引用
Word/単語を読めるようになる前に、音の基本、音韻のPhonemes (Phonemic awareness)を抑えるのが大切ってことです。Phonicsは phonemes, rhymes, syllabusの音の横軸と blending, segmenting, deletingという変換の縦軸を包括した教育法なのです。
なんか難しい話をしましたが、一般的には、赤ちゃん期でもPhonics導入期でも、Rymingなどの音遊びで自然と英語の音韻(Phonemes)を教えているところが多いですし、Phonicsスキップしてもたくさんのインプットやシャドーイングで覚えらるし、わざわざPhonemic awarenessを切り出して教えているよ!という感じはあんまり無いかと。私も最初は、Phonemic awarenessねー、まぁ音が分かるには越したことないよねー、ふーん、程度でした。苦笑
でも、この本を読んだら、面白かった! 音から英語を学ぶと、「楽しさ」が増えたんですよね。面白かったものをつらつら書いておきます。
① 英語は、音の数と綴りの数はイコールじゃない!
日本語は 1文字1音だけど、英語は違う。分かってはいたけど、改めて音から観察してみると、めっちゃ面白い。テキストの例をそのまま拝借するとこんな感じ。
- /ch/ sound spells two letters. It takes two letters to make one sound!
- “x” sounds /k/ and /s/, one letter but two sounds!
- How many sounds do you hear from the word “are”? Yes, only /r/. One!
そういえばそうだよねー!気づかなかったわー、というのばかり。ここから、英語の音の面白さに、ぐいぐい引き込まれた単純な私。笑
② 英語は、同じ音でも多様の綴りがある!
突然ですが、クイズです。笑 以下の文章で/s/の音韻が聞こえるのはどれでしょう?
Once there was a mouse that lived in a house that was a mess. There were things all over the place!
th と s の聞き間違えは圏外にアウトだとして、once, mouse, house, mess, place. これらは ce, se, ss, で綴りが違っていても、全て同じ/s/の音なんですよね。感動しない?!面白くない?!?!笑
日本語は「わ」と「は」という例外以外は1文字1音で他と被ることもないのに、英語はこういう違いがあるんですね。やっぱり面白い!!!
音韻に注目していたら、英語遊びネタが豊富になった
そんなこんなで英語の音韻に感動していた私ですが、この本はReady-to-Use Lesonsが全ての音韻分入っているので、読み進めるうちに、英語の音遊び/単語遊びのネタもたくさん学べたんですよね。まだ文字が読めない子でも絵合わせならできるし、絵のカードを使ってゲームだってできる。Phonicsの文字認識から進もうとしていた私が、文字への興味が薄い我が子達にどう対応しようか悩んでいた部分でもあるので、目から鱗だったし、Activity Pageがあるので、そのままコピペして家ですぐ使えるのは嬉しかった!
例としては:
- Say the name of the picture first, then take off /d/ sound. Draw the line to the picture of the new word you made.
例:鹿の絵と耳の絵を線でつなぐ。deer → ear. この時、スペルじゃなくて音韻が同じなのがミソ!これが音韻の面白さです! 他にもdrug→rug, deal→eel, dice→ice などいろいろあり。 - Take off /d/ sound and make a special code with your neighbor. For example, “Don’t drinkg diet dew.” would be “Ont rink iet ew.” Can you talk with your neighbor like this? Let’s play!
これは子ども達が、意味不明の文章にゲラゲラ笑うだけの遊びですが、/d/の音無しでお話してね!というだけでも楽しめる遊びですよね。 - What’s a missing sound here? oak, E, O.
Yes, the letter “S” is missing. They are: soak, sea, so.
Next, what’s missing here? ink, eel, lip.
Yes, “S” again! sink, seal, slip. Good job!
今度は逆に音を消した状態から、消えた音を推測してもらうゲーム。ここでも E→seaやeel→seal のようにスペルが違うのを入れても成り立つのは音韻遊びだから。これは未就学児にはちょっと難しいかも。 - Here are cards for apple, octopus and eggs. Put under each picture to show the correct vowel sound.
Ex. nest, meat, cake, ten, hen, frog, lamp
Answer: nest (eggs), cake (apple), ten (eggs), hen (eggs), frog (octopus), lamp (apple).
これは母音のりんご・たこ・卵を聞き分けるゲーム。他の絵(nest, meat等)から聞こえる母音をマッチングさせて聞き分けを遊ぶ感じです。
というような感じに、大量のactivitiesが掲載されていて、私はまだ読み終えていないのにお腹いっぱいです。笑 ブログでは文字で書いているので伝えきれていませんが、絵を使った音遊びにすることで、音韻/Phonemic awarenessに注目したactivitiesあることがより分かりやすいかと思います。
娘は音の聞き分けはできているのですが、こういうような音を使った遊び、もっと言えば、音を使った英単語の頭の体操を、本人が単独でできなくても、一緒にやって見せることで、よりスムーズにPhoincs学習に馴染めるのはもちろん、純粋に英語の定着率も上がると思うんですよね。我が家のおうち英語は、英会話と絵本の読み聞かせ、あってもカード遊びが中心で、単語を使った遊びは全然ネタが足りていなかったので、この本はとっても良い収穫でした。音遊び/絵遊びなので、文字への興味の薄い子ども達にも取り組みやすいし、これをきっかけに文字への興味が増えてくれたらいいなあと思っています。
音遊び/絵遊びといえば、我が家はこの本があったのを今思い出した。今は単語帳のような使い方をしているけど、これも文字が読めなくても単語遊びが楽しめる本ですね。
英語絵本:A B See
あと、もう1つ。絵合わせ形式になっているワークブックはこれ。遠い昔に欲しいものリストいれていたものです。この本はタイトルの通りPhonics重視なので、音韻の違いを意識させる系ではなく、スペル系ですが、単語はたくさんわかるけど、まだ読みやスペルはまだなんだよねー、という場合に良いと思います。
日本語の参考文献とサイト
私はつらつらと書いてしまいましたが、Phonetic awarenessの立ち位置や意味をもっと簡潔に分かりやすく書いてくれているサイトがあるので、おいておきます。
フォニックスだけじゃダメ? フォノロジカル・アウェアネス(Phonological awareness)やフォネミック・アフェアネス(phonemic awareness)とは
教育方法を含めた書籍の場合は、日本語ならこの本が分かりやすかったです。でもこの本は概要論と簡単な例がある程度なので、深堀りや詳細を知りたい場合は、洋書から探すのが良さそう。
ちなみに私は、上記の本は図書館で借りた程度ですが、同じ作者さんの「書き方」の本は本棚に保管してあります。これは将来、子ども達が、情報を整理してきちんと書く力をつける時に、都度見返したいので購入しました。これはArgumentative writing向けで、Informative writing, Narrative writingはもちろん、Poetryなどもあるので、まだまだ「書き」も深堀りできるんですけど、自分の意見をまとめるエッセイ/論文系が一番大切だとおもうので、とりあえずこの1冊が手元にあります。
我が子達が文字に興味があって、Phonicsも順調だったら悩みもせずにスルーしていたであろうPhonetic awarenessですが、こんな意外な学びがあったのは良かった。遠回りしても良いことはいっぱいある!引き続きおうち英語がんばります。
Phonemic awarenessってなに?